東京での研修が始まりました。この研修には全国各地から約20名が集まって3泊4日に渡って講義や活動などが展開されます。未来を生きる子どもたちへ真の学びができるように、混沌とした未来の中をたくましく生き抜けるようにするために熱き志を持った先生方と語り合うのは楽しい時間です。年齢層もバラバラで若い人、そうでもない人、新人、ベテラン、超ベテランなど刺激をたくさん受けました。さて、これから1年間。この仲間たちと一緒にどんな学びができるのか楽しみです。アイスブレークレクレーションから始まって楽しく談笑する中、90分の講義がありました。
1920年代ヨーロッパの教育事情から話は始まります。世界的に見ても第一次世界大戦が終わった直後の新教育の展開から始まります。産業革命以来の資本主義が発展し、資本家と労働者の対立やそこから生まれた共産主義との確執など政治的な動きに合わせて教育現場も大きく展開していく時代です。明治の始め富国強兵・殖産興業を急速に進めた我が国は3つの戦争で少なからず発展の道を歩みます。昭和のバブルの昔版といったところでしょうか。その時代背景の中で新教育運動が我が国でも起こりました。
大正デモクラシーと呼ばれた時代、地方から続々と教育者、哲学者、啓蒙者が誕生します。宮沢賢治が有名ですが、肩を並べる賢人たちが真の子供の成長を願って新しい理論を生み出し、実戦を繰り広げていきます。自分の資産を投げ打って世のため人のため子どもたちのために信念を貫こうとした先達はまさに、武士の魂をもった人々だったと夢想します。知識の教授と体験活動による学びという大きな振り子を行ったり来たりしながら崇高な学問の道を高めていったのです。
ところが、戦争の足音と共に光り輝くはずだった教育は薙ぎ倒されていきます。軍国教育、軍事教育が席巻します。全世界がそのような暗黒の時代になっていったのです。今では考えられないような時代背景の幕開けです。今の平和が本当にありがたい貴重な時代であると思うと生かしていただいて、ありがとうございますと感じずにはいられません。