今回の研修の最終日になりました。帰るに帰れず現地に留まり、一緒に残った仲間とそれなりに有意義な研修となりました。何より同じ日本と言いながらそれぞれの土地柄や学校の様子は異なります。その中でも感染予防対策について、考え方もスタンスもまちまちです。街の様子を見た時、もうすぐ収束に向かうのではないかと感じました。大都会の人々はマスクをつけている事を除けば、コロナ以前と変わらず街はとても賑やかです。
さて、研修といえば、考え方の核心部分についての研修となりました。原則を確認し、グループで協議してそれぞれの立場で具体的な活動の中での原則の考え方を話し合いました。
新しい学習指導要領も前文が作られるなど大きな改革がありました。未来の先生の研修でその話がありましたが、それはあくまでも学び方における内容です。文科省が作り上げた内容となっています。もちろんたくさんの研究者が陰で働いているものと思われますが、研修の核心部分はヨーロッパの国の研究者、実践者がまとめ上げたものです。多民族、多宗教、複雑な国境、多様な言語を使う彼の国では個人の自由が最も尊重され学ぶ子どもたちのことを最優先に考える思想が行き渡っています。
日本にも移民や外国籍の人々がこの30年間で急増している状況があり、もはや昭和の頃と同じことを続けることはできなくなっているのです。教育問題の数々は多くのサインとなっています。一度、ジャパンアズナンバーワンと言われるほど成功を収めたことがこの時代の大きな仇になっていると言えるでしょう。たくさんの問題があるにもかかわらず、昭和の時代に成功を収め地位を固めた人々が学校教育を改革しきれていない事が大きな足枷となったことは否めませんが、世論もその部分に言及はあまりありませんでした。どちらかといえば左派とかリベラルな思想はマイノリティとして陽の目を見なかったのではないでしょうか。マスメディアにも大きな責任があると感じています。その間も、ヨーロッパの国々は教育に予算を投じ、国家戦略として未来の人材育成には余念がありませんでした。個人を大切にする教育は当然の権利として保障されていたという事です。日本はOECDからの勧告を何度も受けてきたという事実を誰も知りません。少なくとも自分自身聞いた事がなかったので一つの学びになりましたが、人材育成にかける国家予算は世界でも最低レベルであることは事実なようです。新学習指導要領が始まったのは小学校では2020年、内容ばかりか教科まで増加し、現場の教職員は一層大変な状況となっています。学校にいる子どもたちももっと大変でしょう。10数年前に今のような時代になるとは誰も予想しなかったのではないでしょう。まずはここまで生きてこられたことを感謝しています。生かしていただいてありがとうございました。