登山

 久しぶりに山に登りました。

このところの天候により下界は猛暑、酷暑となっていますが、山の上は雲に覆われていて姿が見えませんでした。天気予報は曇りが続いていて、登っても景観は良くありません。雨でも曇りでも山頂は涼しく楽しいのですが、なかなか登る機会がないのでせっかくならと見通しの良い天候を狙っていました。

 お盆も過ぎるとぐっと涼しくなってきます。この涼しさが、頂上付近の雲を取り払うことは毎年のことなのでこの機会を使います。朝5時、気温が23℃となったこの日は空気も澄み切っていて絶好の登山日和と感じました。

 起床してからすぐに身支度と荷物を整え登山口まで向かいます。登山口までは車で30分で到着。平日早朝のため登山口駐車場は空いています。すぐに登山開始ですが、踊る心を落ち着かせながらゆっくり歩を進めて行きます。

 この頃になると日の出も遅くなり、まだ少し薄暗いですが、秋の到来を実感します。久々の森の木漏れ日や吹き渡る風の中を歩くと生きている実感が湧いてきます。しばらく歩くと暑くなってきます。1時間ほど登ったところでTシャツになり登り続けます。6合目を過ぎるあたりから体の調子も良くなり快調な動きになってきます。この辺りから斜度がキツくなり段差が大きく、道が険しくなりますが、稜線に出るので下界が見渡せるようになってきます。森を抜け遠くは海を眺めながら稜線をひたすら登ります。所々高山植物の花たちが過ぎ去る夏を惜しむかのように、最後の花を咲かせています。その可愛らしさは本当に愛おしいのです。登山の楽しさは登る途中と登った後の休憩です。山頂では異次元の空気感と眺めがあります。この山の特徴は山頂から360度の景観が楽しめること。ダイナミックなパノラマは軽く周囲50キロのエリアを見渡すことができます。北西には海が広がり、半島が美しい造形美を見せます。南東は幾重にも重なった山並みが広がります。そして、川に沿った地域には雲海が流れているのが良く見えるのです。頂上の気温は15℃でじっとしていると寒くなってきますので上着をはおってから持ってきた朝食をいただきます。玄米おにぎりと粟粥スープ、ミックスナッツとコーヒーをいただきました。ぼんやり頂上の景色を眺めながら  ゆっくりとした時間は至福の時間です。真上には下弦の月がポッカリとありました。

頂上でゆっくりとしていると職場から緊急連絡が入り急遽業務に行くことになりました。確か今日は休暇をとっているはずなのに、と思いながら下山して業務にむかわなくてはなりません。急転直下とはまさにこのこと、その後メールのやり取りをしながら、登山のお礼をするために神社に参拝して一日が終わりました。

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