連休を利用して閑谷学校に行きました。快晴でさわやかな天気となりました。新緑が美しい輝きを放っている中、文字通り静かな佇まいを体感することができました。
ちょうど岡山県内の中学生が校外学習で行動で当時の学び方を体験していました。広い講堂はこの学校の中核となる建造物です。
岡山藩主の池田光政が計画し30年余りの年月をかけてつくられました。庶民の教育を司る学校としては世界最古だそうです。江戸時代の初期につくられており、孔子廟を備えた儒学を中心に漢学をたくさんの若者たちが学んだということでした。主な学習は素読(論語などの漢文の音読)を中心に書写や算術などを一日中、学んだそうです。世のため人のためとなる行いや生き方は朱子学や陽明学から一人一人が学び合って明治維新の礎もつくったことが肌感覚で感じられました。
光政公が藩の治世を長く安定させるためには、徳のある人を育てることを最も重視していたことがよく理解できました。閑谷学校は当時の岡山藩以外の藩にも多大な影響を及ぼし各藩でも教育施設(藩校や私塾)が数多く設置されました。学校でも大まかに寺子屋という名称で学習されていますが、人々を指導する立場の人材を徳をもとにして生み出す考えを持っているようです。それは人間の生き方や哲学を中心とした人間磨きを目指す教育でした。現代の学校での学習と比較するとずいぶん異なる様相なのですが人間本来の生き方を問うことが必要です。
260年を超える稀に見る平和な江戸時代を支え、近代日本も支えとなる教育機関は世界にも誇れる日本の遺産だと感じました。