久しぶりに登山に出かけました。大山の中でもマイナーなルートです。海の日なのですが、山も大変な賑わいを見せていました。真夏の登山は涼しくて気持ち良いものですが、今回ルートを踏破するのはある意味チャレンジとなります。
出発前に準備をしましたが、このところの猛暑のため水分をどうするのか対策が必要だと思い。普段より多めの準備をしました。いつも水を持っていってもたくさん余らせてしまうので、重量との加減をするところが難しいです。途中に切れてしまっても給水はできないのでやはりいつもの倍の量を準備しました。
長い行程となるため、重くしっかりした登山靴を選びますが、久しぶりの登山靴の底が剥がれかけていることに気がつきました。今回の登山で耐えられるかどうか心配です。今回の山行は剱岳遠征への慣らし登山です。したがって、岩陵に適した硬めの靴底にする必要があったのです。とはいえ大山のルートは岩より泥ですが、ラストの砂滑りというルートには軽登山靴ではやや苦しいところです。元谷と呼ばれる北壁の下ではゴロゴロした岩の上を長く歩きます。柔らかすぎる靴底では疲れた足に負担が大きくなります。
今回のルートは一般的でなく、登山道と言えないようなマイナーなルートです。夏ですので草木が背を伸ばしており、道がわからなくなりそうです。一人で歩くにはあまりにも心細い。ですが、今回は超ベテランのガイドのもと年はとっていますが、この道何十年というベテラン揃いのグループに加えてもらったので安心です。
スタート地点は川床と呼ばれるスキー場を下った地点です。標高は700mとそれほど高くないですが、木陰で涼しいです。街中はとても暑い日などでそれだけでも心地よさ抜群です。
ここから大休峠まで森林の中を歩きます。途中に藪が覆い被さるほど背を伸ばしており、足元の道が見えにくく、歩きにくいところがありました。また、江戸時代に大山寺で牛馬市が盛んだったこともあり、各地から大山寺まで続く道がありました。石畳が敷かれているところもありますが、陽当たりが悪いので苔むしていて上を歩くとよく滑ります。ところどころぬかるんでいるところもありました。
ずいぶん遠くに行くような気がします。そこまでは登り下りの連続です。
道のようなそうでないような登山道を進みます。この辺りになると急登の連続ですが、加えて天然の障害物競走のような醍醐味があります。
途中に稜線に出てきますがところどころ岩のある崖の上を歩きます。木々があるのでそれほど高度は感じないのですが、よく見ると切れ落ちていてるところが多く、油断は大敵です。相変わらず道は荒れています。
スペシャルステージその1は親指ピーク。尾根に突き出た独特の突起です。遠目に見るほどは恐怖感はありませんが、反対側から見るとこんなところを歩けるのかと思うばかりです。
草や岩をつかみながらゆっくり降りてくるとこんなところを歩いていました。少し離れてみると…
こんな感じで尾根伝いに歩いてきたことがよくわかります。途中、草木で視界を遮られることや足元に木を向けていることがほとんどで結構すごいところを進んできました。この後こんもりした野田ヶ山や振子山を抜けると大きく下って最後の急登を登り返します。曇ってきて風がとても涼しく気持ち良い登りです。今日の一番美味しいところでスペシャルステージその2です。高山植物がたくさん咲いているお花畑が待っています。
お花畑と雲の流れが幻想的な景色を織りなしています。この時間になると他の登山者もほとんどなく独占状態。最高の時間となりました。
ユートピア小屋で少しばかり休憩したあと、山を下っていきます。もっといたい気持ちもありますが、気温は20℃で寒くなってきました。この先のスペシャルステージその3に向かいます。
上宝珠尾根登山道からルートを左に取り、崖を下るとがれ場に出てきます。大山崩落による土砂が堆積している沢の上部より砂を踏みながら下っていきます。通称砂滑りです。流れる砂に乗って一歩一歩を流されるように下っていきます。バランスのコツを掴むと楽に降りられるので大好きなところです。ここがスペシャルステージその3です。ブーツの中に砂が入らないように気をつけながら砂に乗って下っていきます。とにかく慣れると足は楽です。一気に標高を下げていきます。ただし、上部から結構大きな落石があるのでそれには最大限の注意を払っていきます。落石があれば「ラクッ」と叫びます。ここは一人では来られません。砂滑りが終わると浮石だらけの沢を下っていきます。歩きにくいのでつかれた足に響きます。
何はともあれ無事に下山することができました。登山靴のトラブルがあってもなんとか最後まで無事に踏破することができました。今回の歩行距離は10キロほどですが、時間はずいぶんかかりました。持っていった水も半分しか飲んでいませんでした。もう少し水分をとって歩いたほうがよかったなあと反省をしています。さて、登山靴は今回、底が剥がれてしまいましたが新調することにしました。それについては後日、お知らせします。