日本の伝統的な食生活には味噌や醤油、漬物、納豆、酒、酢といった発酵食品がたくさんあります。よく知られているように和食は人体にとてつもなく力を与えてくれる食生活なのです。発酵に麹を活用した食品はもとはといえば米の力ですが、稲という作物の凄さを改めて感じることがよくあります。
農業に詳しいわけではありませんが、毎年同じ水田で稲を育ててたくさんの米を収穫するということに稲という作物のパワーを感じています。水と太陽の光を結晶化させる米という食品は数字で表される成分以外に神秘的な力を感じるようになりました。昔から「米一粒に七人の神様」と言われて大切にされてきました。日本の稲作は大陸から伝播してきたという学説も揺らいできているようです。日本にとって稲作はもはや命そのものと言えるほど重要なことなのではないでしょうか。
現在、日本の米づくりは危機的な状況にあるようです。よく知られるように食料自給率は4割を下回っている状況の中で米は作らせないような政策が加速しています。一方、小麦などの穀物については輸入を強化している状況で貿易は活況となっています。米に限らず日本の農業は瀕死の状況となっていますが、この状況には大きなしっぺ返しが生じるのではないかと危惧しています。
日本の文化とも言える稲作。食のみならず、自然環境と伝統文化にまでつながる日本の国柄とも言える大いなる営みが崩壊寸前なのです。この状況に立ち上がっている人たちも少なからずありますが、政策は相変わらずまずい方向に傾いている模様です。
ずいぶん前に「半農半X」という本を読みました。人が自然とつながりながら人間らしい生き方を提案していることに大きく共感しました。その後、業務が激烈を極めていましたが心の底にはずっとありました。現在、パラダイムシフトの真っ只中で世の中が大きく変わってきています。
ゆっくり、いそいであるべき方向に流れていきましょう。