4月に国勢調査が発表されました。毎年のことながら人口減少が続いています。11年連続となっているようですが、今後も継続されてくるものと予想されます。失われた30年と言われる低経済成長が続く中、明るい兆しの見えない日本となっています。人口減少についてはこれまで地方の過疎地の問題とばかり言われてきましたが、国全体で言えることとなって、中央一極集中という時代も終わりつつあるようです。
自然減が60万人を超え、鳥取県一つ分が、毎年減り続けていることになります。もっとも鳥取県も60万人と言っていた時代はとうに過ぎ去り、現在では55万人を下回る事態となっています。このままで行くと日本消滅も近いのではないかという危機感もあります。
その中でも人口分布も若い年齢層の減少に歯止めがかからないことは他国と比べても異常なほどとなっています。ちなみに、若年層が少なくなっている国は日本をはじめ、中国、韓国です。少子化となっている原因は経済問題による結婚しない若者の増加です。長時間労働の問題、低賃金労働の問題、さらに、子ども一人当たりにかかる家計の教育費の異常なまでの高騰が原因の一つです。教育に関しては義務教育段階でも相当の支出を家計に委ねているところがあります。高度経済成長が完全に終焉を迎え、新しいIT産業が勃興する中、他国から置き去りにされ、ともするとマイナス成長になりかねない厳しい時代を迎えました。地銀など地方金融機関はなすすべもないようです。金利を上げたくても上げられない日銀の様相も打つ手なしといったところでしょうか。
首都移転、地方活性化、地方創生など言われてきたことも遠い昔のことにしか聞こえません。地方では若者の定住をとか、ふるさとを愛する教育をとか言われますが、若い世代が絶たち的に少ない上に、働き方の考え方や生活習慣、慣例的な思考など地方は未だに高度経済成長の仕組みや組織が残ったまま、若くない青年がなんとか維持しているか、もはや消滅しているかと言った現状です。ここ2年間は感染症対策に追われ人々が集う行事も大きく制限がかかりました。経済的には他国は既に感染拡大前の状態に戻り右肩上がりの様相となっています。インフレ抑制のため金利を上げているのです。日本だけはまだ感染対策を緩めずにいます。規制はなくなりつつありますが、学校などでは感染予防や対策を継続している状況で人々の行動は重く閉ざしたままとなっています。
さて、教育現場でもマスク着用やオンライン授業など子ども同士を引き離す状況が続いていますが、幼児期の子どもたちがこのような感染対策を経験してこのままマスクが当たり前になった時、人との接触を過度に敏感になるのではないかという懸念をしています。マスクのため表情のない世界で過ごしてきた子どもたちはこの先どのようなことになるのか心配です。子どもたちは現実の社会の中で生きるよりも、仮想空間での自分を作り上げていく方が生きやすくなるのではないかと思いました。この先、人口減少が続くことは間違いないと思います。子どもの教育費を思い切って下げるなど経済的に子どもを育てやすくする施策を実現するか。または、思い切って外国からの移民をもっと受け入れるか。人口減少を受け入れ、自然減を加速させるか。残された時間はあまりなさそうです。